2017年6月15日木曜日

父の話。

うちの父は、くそまじめで、几帳面で、人見知りで、手先は器用だけど性格は不器用で、楽しみはお酒を飲むことぐらいしかない人…
だと思っていました。

コミュニケーションが下手で、無口で、いつも酔っ払ってて、思春期の頃は父のことが好きになれませんでした。

でも、父がいなくなってみると、父の事を大好きだった幼少期の頃の記憶が蘇ってきました。
不思議なものですね。
小さい頃にホッペにチューした時のヒゲのザラザラした感覚まで鮮明に思い出しました。

音楽が好きだったんだよなぁ。私が小学校2年生くらいの頃、エレクトーンで「ダイアナ」を弾いたらとても喜んでいたことを良く覚えています。
3年生くらいの時には、少ないお小遣いを集めて小さな缶ビールをプレゼントしたけど、「これっぽっちじゃ足りない」と言われ、ものすごくショックをうけたことも。笑

大人になってからは、無口な父とはそんなにたくさん会話したわけではないし、ライブに来ることもほとんどなかったけど、「自分のやりたい事に時間を使いなさい」と言ったり、間接的に応援してくれていたんだなと今頃になって思います。

あぁ、ちゃんと愛してくれてたんだなと。
気がつくのが遅くてごめんなさい。

昨日、家族と一緒に父を見送ってきました。
父はものすごく安心しきった表情をしていました。幸せそうに見えました。
雨の予報だったのに、きれいな青空がでていました。天使のハシゴもかかっていました。

お疲れ様。いってらっしゃい。
そんな気持ちで自然に見送ることができました。


実家に戻って、可愛い甥っ子の面倒を見ていると、
母が「こんなのが出てきたのよ」と言って、お歳暮の空き箱を持ってきました。
中入っていたのは、父の幼少期から若い頃の写真。
トランジスタラジオと一緒に写っている写真に時代を感じました。
20代前後の頃の、友人達と一緒にはしゃいでる写真とか、母と二人で仲良く写っている写真とか。

なんだなんだ、全然くそまじめじゃないじゃん笑
こんなにはしゃいだり、こんなにハツラツとした笑顔を見せたりしてたんだ。

なんだなんだ、ずっと騙されてたよ笑

若い頃の写真の中に、野球をしている写真があったのですが、
やる気満々で構えている写真のあとに、全力で空振りしてる写真がでてきた時にはもう大笑い。

この写真がなんだかとても愛しくて、今は携帯の待ち受けにしています(笑)


変な話ですが、
以前よりもずっと身近に父の存在を感じています。愛されてる感じがします。

ニューヨークにも一緒に付いてくる気がします(笑)
いいよいいよ、一緒に行こう。いろいろ見てこよう。

この数日間、父についてたくさん思うことができて、良かったなと思っています。

お父さん、大好きよ。